言ノ葉日記

第1話 出会いと出発


▼cast

秋音 星羅(あきね せいら)女18

結季 歩硝(ゆいき ほがら)男19

倉木 壱夜(くらき いちよ)男45




▼本編


星羅「紡ぎ(つむぎ)..織りなす(おりなす)。言ノ葉の糸。

ここは人間界。人は皆何かの為に戦っている。

誰かが言った。一族を守る為に戦うと。

誰かが言った。殺された我が子の無念を晴らす為に戦うと。

...果たして、その戦いに終戦の時は訪れるのだろうか?

もしかしたら、この世界の滅ぶその時まで、その戦いに終戦は訪れないのかもしれない。」


....───────────


壱夜「テメェ..メイカーだな。」


歩硝「はい。あなたは?」


壱夜「俺の名は倉木 壱夜..由緒正しき人種..プレイヤーだ。」


歩硝「...俺は歩硝。」


壱夜「フッそうかそうか...」


歩硝「..その由緒正しき人種の壱夜さんが..俺になにか用ですか?」


壱夜「そうだ。話が分かるようで助かる。死んでくれねぇか。」


歩硝「...え?」


壱夜「聞こえなかったのか?メイカー。

死ねって言ったんだよ」


(壱夜、背中の斧を取り出す)


歩硝「っ....!」


(歩硝、かまえる)


壱夜「フッあははは!!そう来なくちゃなぁ?...さて、死ぬ覚悟はできたかよぉ?メイカーさんよぉおおお!!!」


歩硝「くっ....あああああ!!!なんて...力...だ」


壱夜「チッ..きゅうしょを外したか...」


歩硝「急に..こんな!なんだってんだよぉ!」


壱夜「おらぁ!!どうした!メイカー!!テメェの力は、そんなもんかよぉおお!」


歩硝「くっ..ああ!!っ..プレイヤー!!なぜ俺を攻撃する!!」


壱夜「汚ねぇメイカーが..ここらを堂々と歩いてんじゃねぇえええ!!!」


歩硝「グハッ...くっ...!...あああっ!くそ!確かに俺はメイカーだが..敵じゃねぇ!!攻撃をやめろっ!!」


壱夜「うっせぇ!!メイカーの言う事なんざ信用できっかよぉお!」


歩硝「敵じゃねぇって言ってんのが聞こえねぇのか!!」


壱夜「俺にとっては!!てめぇらメイカーら全員...!敵なんだよおおおお!!」


歩硝「くっ..ああああ...!ちっくしょー..戦いたくはないけど..話の通じる相手じゃねぇってか..!しゃーねぇ..スーッ...ああああ!!火炎弾!!」


壱夜「フッ...待ってたぜ。オーラよっ!!!」

(歩硝の火炎弾を飲み込み、火を吹き出す)


歩硝「なっ....」

(歩硝避ける)


星羅「っ...!?」


歩硝「ちょっ!!危ないっ!!!ああああ!!!あ...あっづ...。」


星羅「ああ...ああっ...そんな...メ、メイカーさんっ...メイカーさんっ!!大丈夫っ?...」


壱夜「さぁて。とどめだ!!メイカー!!」


星羅「やめて!!」

(星羅、転がっていた木の棒をかまえる)


壱夜「なんだよ。嬢ちゃん。ノーマルには用はねぇ。どけ。」


星羅「ど、退きませんっ!!」


壱夜「なら..気に入らねぇが、嬢ちゃんからやるとするか。悪く思うなよ?なぁ?嬢ちゃん...」


星羅「うっ...」


壱夜「なんせ、メイカーは...生かしちゃおけない性分なもんでな。」


星羅「っ...!ど、どきませんっ!か、帰って!!」


(サイレンの音)


壱夜「......チッ。察か。」


星羅「お願いします!!か、帰ってください!!!」


壱夜「ふんっ..気に食わん小娘だ。命拾いしたなぁメイカー。この嬢ちゃんに感謝するんだなぁ。だが、次会った時は、その時は容赦しねぇ。テメェをぶっ殺す。覚えてろ。」


(壱夜去る)


星羅「ふ..ふー...よ、よかった。」

(肩を降ろす)


星羅「あっ...えっと...メ、メイカーさんっ。大丈夫ですか...」


歩硝「ああ..大丈夫。メイカーは..回復早い..いってて..大したことないよ。(笑)

ありがとな。命懸けで俺を助けてくれて。アイツも言ってたけど、命拾いしたよ。」


星羅「よかった..(泣)」


歩硝「ええ、!な、だ、大丈夫?泣かないで!?」


星羅「あ、安心しちゃって..。[この人なら..もしかしたら..]」


歩硝「あはは..あ、紹介が遅れたな。俺は歩硝。分かってるだろうけど、炎のメイカーだ。世界中を旅して廻ってるんだ。君は?」


星羅「せ、星羅!..ノーマルです。」


歩硝「星羅か。ごめんな?星羅。変なのに巻き込んじまって。..それにしても、その棒っきれであのプレイヤーのオッサンと戦おうとしたんだ..笑」


星羅「あ...えへへ..」


歩硝「星羅は無茶な事するなぁ。」


星羅「そう..ですよね。ごめんなさい。」


歩硝「いいんだって。俺を守ろうとしてくれたんだよな?ありがとう。」


星羅「歩硝さんだって、私を命懸けで助けてくれました。ありがとうございます。」


歩硝「いいんだって。そんなの。じゃ..俺そろそろ行くね。」


星羅「ほ、歩硝さん!!」


歩硝「ん、どしたの?」


星羅「わ、私も..!私も連れていっていただけませんか!」


歩硝「え..だーめ。女の子連れてける所じゃねーの。」


星羅「や、役に立ちますからっ!私。」

(棒を握り絞める)


歩硝「んー..」


星羅「お願いします...行くところ無いんです..私。今さっきも、死のうと思ってて..それで..歩硝さんが助けてくれて..居場所が無いって、辛いことなんです。自分の価値が無い気がして。」


歩硝「ん..」


星羅「やっぱり、駄目ですよね。こんな、ノーマルなんて。使えないお荷物ですよね。ごめんなさい..」


歩硝「...分かったよ。おいで。」


星羅「えっ。本当に、いいんですか!」


歩硝「ん、ノーマルだからって、弱いわけじゃねーし。お荷物とかそんな風に思ってねーから。」


星羅「歩硝さん...」


歩硝「それに...」


星羅「はい..?」


歩硝「来たいんだろ?」


星羅「はいっ!」


歩硝「その代わり、安全なとこじゃねーぞ。覚悟は出来てんだよな。」


星羅「はいっ!出来てますっ!」


歩硝「じゃ、飛ぶから。しっかり捕まってっ!」


星羅「あ、は、はい!」


歩硝「いくよ。フレイム!」


...─────────


星羅「次回予告っ!」


歩硝「え、もう?」


星羅「はいっ♪第1話終了ですっ♪」


歩硝「はーやっ!」


壱夜「おいメイカー。」


歩硝「あ、オッサン。」


壱夜「なんでテメェより俺の出番が少ねぇんだよぉおお!!!(怒)」


歩硝「し、しらねぇよぉ!」


壱夜「ぶっ殺すぞ!!」


歩硝「ちょっとおおおお!」


星羅「は、はい!では!次回!言ノ葉日記!私と歩硝さんが向かった場所とは!!」


歩硝「そ、そんな対した場所でもねぇけど!!」


壱夜「ごらぁあ!!」


星羅「お、お楽しみにっ!」


歩硝「お楽しみにー!!!」

H29.8.5.公開