言ノ葉日記

第2話 烏ノ疑惑

▼cast

秋音 星羅(あきね せいら)女18

結季 歩硝(ゆいき ほがら)男19

天城 詩烏(てんじょう うたがらす)男40



▼本編


歩硝「到着っと。」


星羅「うわぁ。。秘密基地みたい。」


歩硝「家だよ。俺はここを拠点に生活してるんだ。」


グサッ(歩硝と星羅の間に氷針が降ってくる)


星羅「きゃぁ!!」


歩硝「..まったく。あの人は...もー!!詩烏さん!!危ないでしょー!」


星羅「う、うた、がらす??」


詩烏「ハハハッわりーわりー。坊主がめんこい女御をつれとるなーと思いよったら手が滑ったわい。」


歩硝「あぶないでしょー!!」


詩烏「だから悪いと詫びを入れたであろう?聞こえんかったか?わりー。わりー。わりー。わりー。」


歩硝「あーあー。聞こえてますよ。」


星羅「あ、あの。詩烏...さん!」


詩烏「まったく..なんだい?可愛い子ちゃん。」


星羅「私、星羅っていいます。お料理、お洗濯、お掃除!なんでもします!ここに置いてくださいっ」


詩烏「おおー♪そうかそうか。」


歩硝「星羅、気にしないで。詩烏さんは俺の師匠の弟なんだ。」


星羅「そうなんだ。」


詩烏"...不思議な気配のする女だ..まったく、坊主のやつ何を考えてるんだか。"


星羅「じゃあ、私、さっそく夜ご飯作ろうかなっ!」


歩硝「おっ。わかった。台所はあっち。俺は風呂沸かしてくるから。ゆっくり作ってて。」


星羅「うんっ。」




...────────


星羅「ふんふんふん~♪」


詩烏「...。」


星羅「ん、。詩烏さん?」


詩烏「...。」


星羅「詩烏さん!」


詩烏「うるさいよ、まったく、静かにできないものかね?僕はうるさい子は一番嫌いでね。」


星羅「す、すみません。」


詩烏「フンッ。で、なんだい?可愛い子ちゃん。」


星羅「星羅です!...あの。私、聞きたいことがあるんです。」


詩烏「なにさ?どうでもいいことなら僕は答えないからね。聞いてごらんよ。」


星羅「歩硝さんのことです。」


詩烏「坊主のこと?」


星羅「普段、何をされてるんですか?」


詩烏「そうだねぇ。 いろんなこと。かな。」 


星羅「いろんなこと...」


詩烏「自分のやりたいことをやるのさ。どの団体にも所属しないし、どの団体の仲間って訳でもない。そういう奴だ。」


星羅「そうなんですね。」


詩烏「興味があるのかい?坊主に」


星羅「いや!興味なんて!」


詩烏「ふぅん。」


星羅「私みたいなノーマルが、おこがましいですよね...やっぱり。」


詩烏「そうだね。」


星羅「ですよね。...あはは。やっぱり、ついてこない方が良かったのかもしれませんねっ!!」


詩烏「..それよりさ、今度は君のことを聞かせてよ。可愛い子ちゃん。」


星羅「えっ?..あ、はい。」


詩烏「どうして坊主についてきたんだい?さっきからの行動を見ていると、やはり狙いは僕ではなく坊主だね?」


星羅「ね、ねらいって...。そんな。」


詩烏「下手な演技はやめなよ。見苦しいにもほどがあるってもんさ?」


星羅「詩烏さん...」


詩烏「気安く僕の名前を呼ぶんじゃないよ。坊主は騙せただろうが、僕は君の泣き落としなんかに騙されやしないからねぇ。」


星羅「な、なにが言いたいんですか!?私は何も...」


詩烏「坊主を殺りにでも来たのか?もしそうなら、この天城 詩烏、ただじゃおかないよ? 

坊主は、炎虎が置いていった大事な形見だからねぇ。君なんかに殺られるくらいなら、その前に僕が君を消してあげるよ。」


星羅「そ、そんなことしな...」


歩硝「詩烏のおっさん!!」


詩烏「おっと。」


歩硝「いくら詩烏さんでも...俺の連れに手出すのは許しませんよ!!」


詩烏「まぁまぁ。落ち着けよ。」


歩硝「落ち着いてなんか..いられっかよ!ファイアーアタック!!」


詩烏「落ち着けって言ってんのよ。..氷拳烏弐ノ八(ひょうけんがらすにのはち)」

                                               

(詩烏、歩硝の腹に殴りを入れる)


歩硝「グハッ....」


詩烏「わりーわりー坊主ー。お前が僕の言うこと聞かないから♪ちと痛かったなぁ?」


歩硝「クッ..詩烏さ.. ん」


詩烏「安心しな。ちょっと話をしていただけだよ。わざわざ危険に飛び込んでくるノーマルの女なんて、珍しいからねぇ?」


歩硝「...。」


星羅「私は..ただ人の力になりたくて..ずっと憧れだったんです!己のために戦うメイカーさん達や、国のために戦うプレイヤーさん達が。」


詩烏「ふぅん。そう。」


星羅「はい、私も、自分自身が戦えるようになりたい。大好きな仲間を守りたい..!」


歩硝「これで分かりましたか..詩烏さん」


詩烏「分かったよ。綺麗事しか言わないとんだ能天気なお馬鹿ちゃんだってことがね。」


星羅「の、のうてんき」


歩硝「詩烏さん、言い過ぎ...」


詩烏「いやぁ、疑って悪かったね。可愛い子ちゃんっ♪」


星羅「え、えっと、よかった..!」


歩硝「もー。良かったかどうかは分かんないけど...詩烏さんは昔から疑い深いんだから。俺、これでも詩烏さんのそーゆーとこ、迷惑してるんですからねー?こ、れ、で、も。」


詩烏「クスッはいはい。だから悪いと詫びているだろう?聞こえなかったのかい?」


歩硝「あー!!聞こえましたよ!聞こえました!とりあえず、これで堂々とここにいれるな。星羅。」


星羅「はいっ!よろしくお願いいたします!」


詩烏"まぁ...まだ完全に信用したなんて、そんなうまい話、有るわけがないけどね。僕は自分の領域を犯されるのが..一番嫌いなんだ。"



...─────────


詩烏「次回予告」


歩硝「え、まって..言われたじゃん!!」


詩烏「だってー、坊主が遅いんだもの♪」


歩硝「そんなぁー..!」


星羅「ハイッ!ということで..次回ですが。」


歩硝「お、次回は!?」


星羅「次回は!!襲われます!」


歩硝「...え、それだけ!?」


詩烏「また僕の領域を犯すのかい..?(ニコニコ)」 


歩硝「詩烏さん、暴走しないでくださいよ..?」


詩烏「なんのことかな。」


歩硝"絶対やらかすじゃんこの人..!"


星羅「はい、ということで、そろそろ閉めますよ?」


歩硝「あ、ああ!」


星羅「それでは次回も、お楽しみに~!」


詩烏「お楽しみに~♪」


歩硝「だ、か、らー!俺の台詞ー!!!」

H29.8.9.公開