6人の部長

▼cast

剣道部長〔以下剣と記載〕

...礼儀正しく、尊敬されるリーダー的立ち位置



ソフトボール部長〔以下ソと記載〕

...人を小馬鹿にしたような態度



陸上部長〔以下陸と記載〕

...高校生に有りがちな合わせるタイプ



茶道部長(生徒会長、吹奏楽部長代理)〔以下茶と記載〕

...真面目な生徒会長。進行役



漫画研究部長〔以下漫と記載〕

...面倒臭がりで、ちょっと口悪い



演劇部長〔以下演と記載〕

...真面目で眼鏡っ娘。おどおどしている



※口調を少し変えれば男女どちらでもいけます!



▼story

私立雅ヶ丘高校では、毎年各部活動の練習場所を決めるための会議が部長達によって開かれます。このお話は、そんな「部活動活動場所割り振り会議」の今年度の様子。





※ツイキャスのコラボ6に合わせ、本来10人で書かれていた自作の台本を縮めたため、欠席の部活が多いのでご了承下さい。



▼本編


茶「あ、演劇部さん、早いですね。」


演「はい!今日は、よろしくお願いします。あ、バレーボール部さんと卓球部さんが、行かないって伝えてって..」


茶「あ、はい。分かりました。こちらこそ、よろしくお願いします。他の部の方々は...」


ソ「チーッス」


陸「こんにちわー。」


茶「ソフトボール部さんと、陸上部さんですね。こんにちわ。」


ソ「そそっ。悪いね!1年生に先に練習しとくように言うの大変で遅れたわ。あと、サッカー部は来れないらしいよー」


茶「いえいえ。サッカー部さんは来られないんですね。あとは..」


剣「みんなお疲れ様。基礎練だけ済ませてきたので遅くなった。ごめんなさい」


茶「剣道部さん。お疲れ様です」


剣「ありがと。ごめんね。県総大がちかくてね。」


茶「大丈夫です!じゃあ、今回はこの5人での会議ってことで..」


漫「います。」


茶「あ、えっと...」


漫「漫画研究部です。」


茶「あ、漫画研究部さん..ですね。すみません。気がつかなくて」


ソ「影薄いからね。」


漫「はぁ?」


茶「ち、ちょっと!喧嘩は辞めてください。会議をはじめますから。」


全員「はーい」


茶「コホン。それでは..これより、○○年度、部活動活動場所割り振り会議。略してBVKをはじめます!」


ソ「なんで、BVK..?」


茶「Bが部活。Vが場所。Kが会議です!」


ソ「ふ、ふーん。そっか。笑」


茶「先生方の事前会議での仮決定されたものがこちらになります。」


(みんな仮決定のプリントの内容を見つめる)


茶「えー、それでは。各部長のみなさん。良いと思った方は挙手をお願いします!」


(演劇部長以外あげる)


茶「挙手を、お願いします!」


演「....。」

(演劇部長あげない)


茶「あの..演劇部さん?」


演「...挙げなきゃだめですか..?」


茶「え、?そりゃあ、みなさんの同意が必要ですから。」


演「納得していなくても?」


茶「え、?えっと..」


ソ「納得してないの!?」


剣「どうして?」


陸「本当だよ。もういいじゃん。」


演「....。」


茶「演劇部さん?なにか、理由があるんですか?」


演「納得できないんですっ..」


ソ「なんでさ。」


演「だって..どうして演劇部はステージを週2でしか使わせてもらえないんですか!?」


茶「前からそうでしたよね?」


演「違います!今までは週3でした!日曜日も演劇部が..」


剣「仕方ないよ。うちは部員96人。体育館だけじゃ足りないから1年生も練習させるためにステージもいるんだ。」


演「う、うちだってっ..」


ソ「演劇部は4人だよね。」


漫「いいじゃん。演劇部も教室でできるんだし。」


演「教室じゃ..大声出せないし..立ち稽古もできないし..」


漫「勝手に立ってやっとけば?」


演「違うんですっ..実際のステージで、立ち位置の練習もしたいし、照明や音響だって、ステージでしかできないし..大道具の大きさを測るのだって..!」


ソ「そういうの、我が儘だよね。」


陸「そうだよ。うちだって、グラウンド毎日使えるわけじゃない。使えないときは廊下走ってるし。」


ソ「あぶなっ笑」


陸「ソフトボール部だってさ。グラウンド使えなかったら廊下で筋トレだろ?」


ソ「そうだね。」


陸「だよなー」


茶「それに、ステージを使いたくても、我が茶道部は、一日も使わせてもらえないんですよ?演劇部さん。」


漫「そうだよ。納得してないのはあんただけじゃないんだから。」


演「じゃあ、なんで無理に納得するんですか...」


茶「え..?」


演「話し合いましょうよ。せっかくの会議なんですから。」


茶「んー..」


剣「一理あるよね」


漫「剣道部さん、話し合う気なの?」


剣「納得できてない人を、無理矢理同意させるのは、人意に反してる。」


陸「つまり?」


剣「話し合おう」


ソ「まじかよー...」


演「剣道部さん!!あ、ありがとうございます!」


茶「はぁ、では、話し合いましょうか。」


全員「はーい」


ソ「で、何する?」


茶「そうですね。では、自己紹介からいきましょうか。」


ソ「自己紹介..?」


漫「自己紹介も分からないの?さすが脳筋。笑える」


ソ「はぁ!?それぐらい分かるし!!」


茶「まぁまぁ、笑ほら、お互いの部活がどういう活動してるーとかっていうの、詳しく知らないじゃないですか。」


陸「え、知らないの?」


茶「知らないでしょ?」


ソ「知ってるでしょ-。」


茶「じゃあ、それぞれの部がどんなことしているのか、お二人共言ってみてください。」


陸「まず、あれでしょ?剣道部は普通に剣道。大会とかもあるだろうから、それに向けて~とか。」


剣「そうだね。」


茶「では、茶道部は?」


ソ「お茶飲んでるんだろ?」


茶「飲むのがメインじゃないですよ。」


陸「正座してシャカシャカ」


茶「はぁ...分かってないですね。」


ソ「うっ。」


茶「じゃあ演劇部は分かりますか?」


陸「それは簡単!劇だろ!」


演「..劇は完成作であって、普段の練習では声出し、滑舌、とか...」


陸「へ、へー。」


ソ「まぁ、今のは当たりだろ!」


茶「では、漫画研究部さんのことは?」


陸「漫画読むだけ」


ソ「きもオタク」


漫「はぁ?なんて言った?」


茶「喧嘩はだめですよ!」


ソ.漫.陸「うるさい」


茶「は、はい」


ソ「だいたい、漫画研究部とか時代遅れじゃね?wキモいし。」


陸「だよねー。もう廃部でいんじゃね?」


ソ.陸「廃部!廃部!廃部!(廃部コール)」


演「や、やめましょうよ..」


(ソ、陸..廃部コール辞めない)


漫「そーやって人を馬鹿にすることしかできないのね。脳筋の運動部さん方は。こんなのが部活動の花形って言うんだからこの学校も落ちた物よね。だから馬鹿しかいないのね。この脳なし。」


ソ、陸「はぁ!?」


剣「その辺で辞めときなよ。ここは争う場ではない。話し合う場だ。」


茶「そうですよ!!」


演「じゃあ..どう..しましょうか?」


茶「では改めて!自部紹介!」


ソ「じぶしょうかい..?」


茶「自己部活動紹介!!略して!」


漫「はいはい。面倒くさいけど、真面目にやるとするか。じゃないと演劇部が納得しないんでしょ。」


演「すみません...」



茶「ではでは、剣道部さん。お願いします」


剣「はい。我が剣道部は部員96人で活動してます。大会では全国大会に出場しており、現在全国1位の未央高校に勝つために日々練習しております。どうも、ありがとうございます。」


ソ.陸「お~!」


茶「では次!ソフトボール部さん!」


ソ「えー。なんで僕-?」


茶「んー、なんとなく。」


ソ「ちぇー。..じゃあ、はい。ソフトボール部でーす。ソフトボールやってまーす。」


全員「・・・。」


茶「え、それだけですか?」


漫「ちゃんと説明しなさいよ。部員人数、大会の成績。」


ソ「・・・部員10人。成績は、地区ベスト5。」


茶「この地区のソフトボール部って・・・」


剣「5校ね。」


漫「ドベ。最弱の中の最弱。」


ソ「わ、悪かったなぁ!!」


茶「は、はい。じゃあ次。陸上部さん。」


陸「陸上部は、それぞれ得意分野の種目に別れて大会に出てる。人数は23人とマネージャーが3人。大会は、地区敗退もいれば県1位もいる。ピンからキリまでいろいろってことだね。」


茶「ちなみに部長は?」


陸「ン?ナニ?」


茶「だから、部長の大会での成績・・」


ソ「それは聞かないお約束・・(コソッ)」


茶「..失礼しました。」


陸「あはは...」


茶「そ、それでは、文化部ですね!私は、茶道部と、吹奏楽部の代理として、話をさせてもらいますね。」


漫「どうでもいいから早くしなさいよ」


茶「それでは、茶道部から。茶道部は、部員3人で、お抹茶をたてたり、茶道の極意を学んだりしてます!大会もありまして、私たちは県でベスト3に入ってます。以上です!」


演「へぇ、凄いんですね。」


茶「それほどでも。」


ソ「へぇ・・・。」


茶「吹奏楽部の分は、代読しますね!吹奏楽部は、部員45名で吹奏楽、ブラスバンドなどをやっております。県での成績は銀賞のことが多いですが、強豪校を倒すために、日々練習に励んでます。...だそうです。」


剣「吹奏楽部はなんで来なかったんだ」


陸「たしかに」


茶「なんでも、大会まで日にちが無いそうで、みんなで合わせ練があるそうです。」


ソ「あー、そう。合わせ..ねぇ。まぁ、次いこ次!ほら、きもオタク」


漫「...チッ(ソフトボール部をにらみつける)...私たち漫画研究部は、漫画の読書、漫画の読解、漫画の神シーンの掘り出し、更に漫画を連載しております。部員は7名。大会はありません。」


ソ「オタクに大会があってたまるかよ笑」


漫「・・・生徒会長」


茶「はい?」


漫「こいつ殴っていい?」


茶「だめです!!」


漫「うるせぇんだよ。オタクオタクオタクオタク!!オタクの何が悪い!!」


茶「あ、認めちゃうんですね...」


漫「オタクは神だ!!この世はオタクがつくっている!!」


ソ「こいつ、頭逝ったんじゃね?笑」


茶「じゃ、じゃあ次。演劇部さんー。」


演「は、はい。えっと...演劇部です。先ほども言った通り、演劇部は役者と、裏方の照明、音響、大道具、小道具、衣装がありまして...」


ソ「人数足りなくね?」


演「え...。」


ソ「だって、4人だろ?」


演「あ、はい...3年生の私と、2年生の相田ちゃん...あと新入部員が8人いたんですけど...顧問の先生に聞いたら、もう6人も退部届け出しちゃったみたいで...」


漫「まぁ、今年からみんな部活入らなきゃいけないシステムになったもんね。」


演「最初8人も入った!て聞いた時には、これで演劇部も盛り上がれるって、思ったんですけどね...」


陸「入ったはいいけど幽霊部員で、部活に来る前にやめちゃった。かぁ..僕らもあったなー」


漫「うちも。本当、舐めてるわ。」


剣「仕方ないよね。うちもあったし。でも、新入部員2人はちゃんと来てるんだ。」


演「あ、いえ...籍はありますけど..顔も見たことないんです。」


陸「え、まじかよ。全員幽霊部員だったってこと!?」


漫「それは悲しい。」


剣「それでよく頑張ってるね」


演「はい...相田ちゃんのためにも、頑張りたいんですけどね...。部員2人じゃ...なにも...」


茶「演劇部さん...」


演「約束したんです!今年は、相田ちゃんが書いた台本で、みんなで頑張って県大会行きたいね!...って...でも、無理でした...!」


全員「...」


演「部員を集めよう!て、相田ちゃんと頑張ったのに...それも出来なくて...。じゃあ、練習が満足に出来るように、今年は場所取り頑張るから!って、今日も来たんですけど....無理ですよね!本当は、本当は分かってたんです!

こんな部活に練習をさせてくれる場所なんて、無いですよね。

...あはは.......。」


茶「演劇部さん...。あの...。」


演「はい!」


茶「...え?」


演「部活動活動場所割り振り会議...演劇部、同意します!」


茶「..私も。」


全員「...。」


茶「私も今日は、変えようと思って来たんです。私、生徒会長ですけど...私がやる会議で話し合った事が、学校に影響したことなんて、無いんですよ。

でも、そんなの変な話じゃないですか。...会議、するのに。決められない。

結局、何も変えられないんです。何も。」


全員「...。」


茶「...総員一致。今回の部活動活動場所割り振り会議は、こちらに記載された通り。訂正は無し。

それでは、

これで○○年度、私立雅ヶ丘高校、部活動活動場所割り振り会議を終了致します。

みなさん、お疲れ様でした。」


ソ「よーしっ部活に戻るかー!これからグランドだー!」


陸「うちは廊下ダッシュ。」


ソ「気をつけてな~笑」


剣「私も、戻るとするよ。後輩達の指導があるからね。」


漫「じゃ。漫画の連載あるから。これで。」


茶「演劇部さん、おつかれさまでした。」


演「・・・。」

(演劇部部長、相田の書いた台本を見つめている)


茶「それでは・・・失礼します。」



(少し沈黙)



演「6人の部長。」



END